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村田製作所 産業機器向け高精度6DoF慣性力センサ「SCH16T-K20」を商品化~長期使用でも安定した自己位置推定や姿勢制御に貢献~

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村田製作所は高性能6軸慣性計測ユニット(IMU)「SCH16T-K20」を発表しました。これはジャイロスコープと加速度センサを組み合わせたセンサで、ロボットやドローン、カメラシステム向けの高精度慣性測定に最適化されています。新しいMEMS加速度計と改良された温度補正機能により、低ノイズ・高精度な測定が可能で、厳しい環境でも安定動作します。-40℃〜110℃の広い温度範囲に対応し、信頼性の高い自己診断機能も備えています。既存のSCH16Tシリーズとの互換性を保ちながら、2026年前半に量産開始予定です。(ミタチ産業要約)


産業機器向け高精度6DoF慣性力センサ「SCH16T-K20」を商品化
~長期使用でも安定した自己位置推定や姿勢制御に貢献~


  • センサ

2025/12/12





株式会社村田製作所(以下、当社)は、産業機器向け高精度6DoF慣性力センサ「SCH16T」シリーズに、新たに「SCH16T-K20」(以下、当製品)を追加します。広い温度範囲における長期使用でも安定した自己位置推定・姿勢制御に貢献します。
量産開始は2026年上期、サンプル提供は2026年初頭を予定しています。

産業機器の自動化および高度化に伴い、ロボットやドローン、カメラでは高機能化のニーズが高まっています。特に、精密な動作制御に必要な自己位置・姿勢の高精度化や、写真・動画の品質向上に欠かせないブレ低減には、加速度3軸と角速度3軸を同時に計測する6DoF慣性力センサが活用されています。また、こうした機器は従来の限られた環境にとどまらず、屋内外での多様な現場で使用されるケースが増えています。しかし、広範囲での温度変化や厳しい振動・衝撃下におけるセンサ出力(オフセット)の変動量(ドリフト)が大きくなると、長時間計測による出力誤差が蓄積する原因となり、最終製品側への不正確なデータ出力に繋がります。さらに、致命的な信号エラーが発生した場合、最終製品の故障を未然に防ぐために、エラーをセンサ自身が自己判定する自己診断機能の搭載を求められることが増えてきています。このことから、低温から高温までの幅広い温度条件や、強い振動・衝撃下でも安定して動作でき、エラー時の自己診断機能が備わった6DoF慣性力センサが求められています。

そこで当社は、独自の3D MEMS技術、パッケージ技術により、−40~+110 ℃の温度範囲で安定して動作し、振動整流誤差が小さく、低ノイズで高精度を実現した当製品を開発しました。これにより、ロボット、ドローン、カメラといったアプリケーションの高精度な自己位置・姿勢推定や安定制御に貢献します。また、当製品は産業機器向けの製品ですが、車載グレードの品質規格(AEC-Q100)に基づいて試験を行っています。さらに、当製品は「SCH16T」シリーズ共通の自己診断機能を備えているため、信号の信頼性監視や故障検知をサポートします。また、ピン配列およびソフトウェアの互換性により、「SCH16T」シリーズ内での置き換えが容易であるため、設計工数の低減に貢献します。

当製品は車載用途には対応していません。


今後も当社は、高精度な6DoF慣性力センサの開発に取り組み、産業分野の高機能化に貢献してまいります。



主な特長

  • −40~+110℃と広い動作温度範囲(特に-40~+85℃の温度範囲で優れたオフセット特性を実現)
  • 業界最高レベルの低ノイズ・低ドリフトジャイロ(Typical値:ノイズ密度 0.0004 (°/s)/√Hz、バイアス不安定性 0.3 °/h)
  • 3D MEMSとダブルディファレンシャル構造、パッケージ技術による低VRE(振動整流誤差)
  • 自己診断機能とSCH16Tシリーズ内でのピン/ソフトウェア互換性


主な仕様

サイズ(L × W × H) 11.8 × 13.4 × 2.9 mm
動作温度範囲 −40~+110 ℃
ジャイロ バイアス安定性(Typ.) 0.3 °/h
ジャイロ ノイズ密度(Typ.) 0.0004(dps)/√Hz
加速度 ノイズ密度(Typ.) 33 µg/√Hz


製品サイト

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ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。


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