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電源の高効率化に貢献する高速ダイオードタイプパワーMOSFET発売について ~最新世代スーパージャンクション構造NチャネルパワーMOSFET「DTMOSVIシリーズ」に新製品を追加~

東芝デバイス&ストレージ株式会社

2024年2月22日

東芝デバイス&ストレージ株式会社

これは、電源の高効率化に貢献する高速ダイオードタイプパワーMOSFET発売についての画像です。

当社は、データセンター向けスイッチング電源、太陽光発電パワーコンディショナーなどに適した、スーパージャンクション構造を採用した当社最新世代[注1]NチャネルパワーMOSFET「DTMOSVI(ディーティーモスシックス)シリーズ」に高速ダイオードタイプ (DTMOSVI(HSD)) 製品を追加しました。先頭製品として、TO-247パッケージを使用した650V耐圧NチャネルパワーMOSFET「TK042N65Z5」と「TK095N65Z5」を製品化し、本日から出荷を開始します。

新製品は、高速ダイオードを採用することで、ブリッジ回路やインバーター回路用途で重要な逆回復[注2]特性を向上しました。スタンダードタイプ (DTMOSVI) と比較して逆回復時間 (trr) で65%低減、逆回復電荷量 (Qrr) で88%低減 (測定条件: -dIDR/dt= 100A/μs) を達成しました。

新製品で採用したDTMOSVI(HSD) プロセスは、当社既存製品DTMOSIV(ディーティーモスフォー)シリーズの高速ダイオードタイプ (DTMOSIV(HSD))製品と比較して逆回復特性を改善し、高温のドレインしゃ断電流を低減しました。また、性能指数の「ドレイン・ソース間オン抵抗×ゲート・ドレイン間電荷量」を低減しました。TK042N65Z5の場合、当社既存製品TK62N60W5[注3]と比べて高温のドレインしゃ断電流を約90%低減[注4]、ドレイン・ソース間オン抵抗×ゲート・ドレイン間電荷量を約72%低減[注5]しています。これにより、機器の損失を低減し、高効率化に貢献します。1.5kW出力のLLC回路評価基板を使用した当社実測結果においても、既存製品に対し効率を最大約0.4%改善[注6]しました。

なお、新製品TK095N65Z5を活用した「1.6 kWサーバー用電源 (アップグレード版) 」リファレンスデザインを開発し、本日当社webサイトに公開しました。

また、回路設計をサポートするツールとして、短時間で回路動作が検証できるSPICEモデル(G0モデル)に加えて、パワーデバイスの過渡特性をより正確にシミュレーションできる高精度SPICEモデル(G2モデル)も提供します。

DTMOSVI(HSD) は、リード挿入タイプパッケージのTO-220やTO-220SIS、表面実装タイプパッケージのTOLLやDFN 8×8のラインアップ展開を計画しています。
さらに、DTMOSVIシリーズとして、先行リリースの650V耐圧と600V耐圧、新製品の高速ダイオードタイプと併せて今後もラインアップを拡充します。これにより、スイッチング電源などの電力損失を低減し、省エネルギー化に貢献します。

[注1] 2024年2月22日現在、当社調べ。
[注2] MOSFET ボディーダイオードが順方向から逆方向バイアスに切り替わるスイッチング動作のこと
[注3] 600V耐圧のDTMOSIV(HSD) シリーズ
[注4] 当社実測値。新製品TK042N65Z5は、0.2mA (測定条件: VDS=650V、VGS=0V、Ta=150°C)、
既存製品TK62N60W5は、1.9mA (測定条件: VDS=600V、VGS=0V、Ta=150°C)
[注5] 当社実測値。測定条件: 
TK62N60W5 
・RDS(ON): ID=30.9A、VGS=10V、Ta=25°C
・Qgd: VDD=400V、VGS=10V、ID=61.8A、Ta=25°C
TK042N65Z5
・RDS(ON): ID=27.5A、VGS=10V、Ta=25°C
・Qgd: VDD=400V、VGS=10V、ID=55A、Ta=25°C
[注6] 当社実測値。測定条件: Vin=380V、Vout=54V、Ta=25°C

650V 耐圧パワーMOSFETのスタンダードタイプと高速ダイオードタイプのt<sub>rr</sub>とQ<sub>rr</sub>の比較
650V 耐圧パワーMOSFETのスタンダードタイプと高速ダイオードタイプのtrrとQrrの比較
TK095N65Z5とTK35N65W5のI<sub>DSS</sub>@150°C×t<sub>rr</sub>比較
TK095N65Z5とTK35N65W5のIDSS@150°C×trr比較
TK042N65Z5とTK62N60W5のR<sub>DS(ON)</sub>×Q<sub>gd</sub>
TK042N65Z5とTK62N60W5のRDS(ON)×Qgd
TK042N65Z5とTK62N60W5の効率比較
TK042N65Z5とTK62N60W5の効率比較

新製品を活用したリファレンスデザイン"1.6kWサーバー用電源 (アップグレード版) "

これは、基板外観の画像です。
基板外観
これは、簡易ブロック図の画像です。
簡易ブロック図

応用機器

産業用機器

  • スイッチング電源(データセンターのサーバー、通信機器など)
  • EV充電スタンド
  • 太陽光発電パワーコンディショナー
  • 無停電電源装置

新製品の主な特長

  • 最新世代DTMOSVIシリーズの高速ダイオードタイプ
  • 高速ダイオードタイプによる高速逆回復時間:
    TK042N65Z5 trr=160ns (typ.)
    TK095N65Z5 trr=115ns (typ.)
  • 低ゲート・ドレイン間電荷量による高速スイッチング時間:
    TK042N65Z5 Qgd=35nC (typ.)
    TK095N65Z5 Qgd=17nC (typ.)

新製品の主な仕様

(特に指定のない限り、Ta=25°C)

品番 TK042N65Z5 TK095N65Z5
パッケージ 名称 TO-247
寸法 (mm) Typ. 15.94×20.95、t=5.02
絶対最大定格 ドレイン・ソース間電圧 VDSS (V) 650
ドレイン電流 (DC) ID (A) 55 29
ドレイン・ソース間オン抵抗 RDS(ON) (Ω) VGS=10V Max 0.042 0.095
ゲート入力電荷量 Qg (nC) Typ. 105 50
ゲート・ドレイン間電荷量 Qgd (nC) Typ. 35 17
入力容量 Ciss (pF) Typ. 6280 2880
チャネル・ケース間熱抵抗 Rth(ch-c) (°C/W) Max 0.347 0.543
逆回復時間 trr (ns) Typ. 160 115
当社従来シリーズ (DTMOSIV) 品番 TK62N60W5[注7] TK35N65W5、
TK31N60W5[注7]

[注7] VDSS=600V

新製品の詳細については下記ページをご覧ください。

TK042N65Z5
TK095N65Z5

当社のMOSFET製品の詳細については下記ページをご覧ください。

MOSFET

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この情報は、東芝デバイス&ストレージ株式会社のホームページに基づいて掲載しており、最新の情報は下記URLからご確認ください。

https://toshiba.semicon-storage.com/jp/company/news/news-topics/2024/02/mosfet-20240222-1.html